2005-10-18
ルチノちゃん家出騒動記 その(2)待つ日々篇
翌日金曜日は出社日でした。こんな気持ちを抱えての出社は辛いものがありましたが、家にいて待っているよりは返って良いかもしれない・・・そう思い出社しました。仕事中は没頭していて忘れていることができるのですが、移動や帰宅の車中では途端に気持ちが沈み込み、重いため息がいくつもでてきてしまいます。呼吸も浅く、息苦しい・・・
<たかが鳥一羽でどうしたことだろう・・・>
「ペットロス」という言葉も頭に浮かんできました。ため息は体の自己防衛本能だとか・・・
<ため息をついたっていいんだ>
そう思うと少しだけ気が軽くなる思いがしました。
帰宅後も息子たちと方々を探しまわりました。が、気配は全く無く、こちらの呼びかけがむなしく響くばかりでした。情報も全くありません。帰りを待つ辛い時間だけが永遠に横たわっている・・・そう思うと奈落の底に沈んでいくようでした。
夫は夫で心配してくれたようです。動物が苦手な人・・・と思っていましたが、いつもその手の中で眠るルチノちゃんは特別可愛い存在だったのでしょう・・・インターネットのいくつかの「迷子の掲示板」に情報を呼びかける掲載をしてくれました。するとその掲示板に応えて「迷子のコザクラインコを見つけます」というメールが「ペット探偵」なるものから届いたのです。
<ペット探偵・・・なんだ、それは・・・そんなものがあるんだ・・・>
何やらうさん臭く感じましたが、この探偵の存在は頭の片隅にしっかりと刻まれたのです。
その夜もよく眠ることができませんでした。カーテンの隙間から暗い夜空が見えると
<この外のどこかで心細く震えているのではないか・・・>
そう思えて、胸はザワザワとかき乱れるのでした。
翌々日土曜日。時間が過ぎていくに従い、頭の片隅の「探偵」の存在は徐々に大きくなっていきました。
<成功率85%・・・本当だろうか・・・ちょっとあやしい・・・犬・ねこならともかく小鳥となると難しいかもしれない。でも仕事もあるし、チラシを貼ろうにも個人の力では限界がある・・・探偵に頼んでみようか・・・お金を棄てることになってしまうかもしれないが、それだけやってダメならきっぱりとあきらめもつくかもしれない・・・>
そんな思いを家族に告げました。夫はあまり乗り気ではなかったようですが、「ルチノちゃん命」の長男は「ぜひ頼んでほしい!」と真剣そのもの。いつもは少しのお金にもケチな私でしたが、心が決まりました。
<よし!頼んでみよう!ペット探偵に運命を託してみよう!!>
私にとっては清水の舞台から飛び降りるような大胆な決断でした。
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