2007-04-24
壁のぼり芸―後日談
エピソード2. さくらのデビュー
さてさて、我が家に来てはや7ヶ月が過ぎたさくらちゃん・・・こちらは当年とって、0歳と8ヶ月。人間に例えるならギャングエイジの小学生といったところでしょうか。活気みなぎる立派な若鳥でございます。
ある時、ふと考えました。この「壁のぼり」芸、一体さくらにはできるのだろうか・・。そんな疑問が芽生えた飼い主、早速試してみることに〜^m^)♪いつもギャラリーに徹していて、自分ではまるでやろうという気のないさくらちゃんを、まずはゴミ箱の底にそっと下ろしてみました。すると〜・・・
ひゃ〜、ダメです。ばばーっと飛び上がって来てしまいましたー ^^;) 数度試せど同じ結果です。やっぱりこの芸はルチノちゃんだけのオリジナル芸なんだわ・・・そう納得した飼い主でした。
時を経て、現在はリハビリ中のルチノちゃん・・・。さくらは相変わらずのギャラリーでしたが、あれから大分成長していますから、もしかして・・・と思い、再度試してみることに―。
さあ、チャレンジです!(ちょっと緊張!?)
ゴミ箱の底に置かれたさくら・・・驚いてばばーっと飛び上がってきました。以前と同じです。でも、翼が途中のビニールにかかってしまい、底に戻ってしまいました。
- ああ、やっぱりさくらには無理だわ。
救いの手を差し伸べようとしたその瞬間、さくらに迷う気配が―。なんと、嘴でビニールを探っているのです。どうやらひっかかる所を探しているようなのです!
- おっ!これはもしかして〜・・・!?
そうです。さくらはルチノちゃんのように嘴を使ってビニールを這い上がってきたのです!
- やったー、さくら!できたんだね〜!!
もうびっくり&大感激!!さくらはただギャラリーをやっていただけではなかったのです。ルチノちゃんの芸を見て日々学んでいたんですね〜!
なんと賢い小鳥なんでしょう!ルチノちゃんに引き続き、私はさくらにも「小鳥も学べる」、ということを教えてもらったのです。またまた、インコマジックに魅せられてしまった飼い主です。こうして、ルチノちゃんのリハビリと同時に、さくらの特訓も始まったのでありました〜。
さくら、8ヶ月―。華麗にデビュー!です。
2003年8月生まれ、当年とって3歳8ヶ月のルチノちゃんは人間に例えればそろそろ30代の中年期にさしかかるといった年代でしょうか。まだまだ油の乗った働き盛りと言いたいところなのですが、最近めっきり落ち着いてしまった感があります。
以前はうるさいくらいに囀っていたのに、すっかり無口なオトコになってしまった。。。自分の世界に浸って一心に歌う姿はトンとお見かけしなくなりました。
放鳥しても電器、ポット、手の中等、温かい場所でお玉ちゃんとなってしまうことが多く、活発に動き回ることも少なくなってきました。もちろん、さくらと連れ立って遊んだり、悪さをしたりということもあるにはあるのですが・・・。
そんな昨今の様子を気にかけていた飼い主ですが、オリンピック代表選手にもなった例の「壁のぼり」芸(お遊びです^^;)においても、飼い主の気付かぬうちに変化は起こっていたのでした!実は、実は〜〜・・・練習をさぼっているうちに、すっかり下手っぴ!になってしまったのでした〜(T T)
この「壁のぼり」は、まず嘴を使ってゴミ箱を伝い下りるところから始まるのですが(上がるのと同じ要領です)、怖くなってしまったのか、これがすっかりできなくなった。。。
朝ゴミ替えの時に喜々としてやってくるのは以前と同じですが、ゴミ箱のふちで、「どう下りたらいいものか」といった顔で右往左往―。勇気を振り絞って下りてはみたものの、途中で落っこちてしまったりもする。そうするともうパニックで、底から一気に飛び上がってきてしまいます。TV出演した頃のルチノちゃんはこの芸に一種のプライドをもっていたようで(ホントですよ〜)、たとえ失敗しても助け舟として出したヒトの手なんて、絶対に借りなかったものです(そういう時はイヤイヤして、手に乗らなかった・・)。それが久々にやってみればこの始末です。そして、なんと助け舟の手に縋り付く有様!
これは、飼い主にとっては何とも悲しい変化でした。無芸大食・・他にはなんの取り得もないルチノちゃんなのです。これだけ。この芸だけだった・・というのに〜(涙)
さて、この衰えですが、加齢によるものもあるのかもしれませんが、忙しさにかまけて私がこのお遊びに余り付き合ってあげなくなったことに一因があるようです。
出勤前の朝の忙しさといったらもう半端ではなく、いつしか私はルチノちゃんの見えないところでゴミのビニール替えをしていたのでした。なにせルチノちゃんは、ビニールを替えようとすると、目の色変えてゴミ箱にダイブ!そしてそれに付き合うとなるとゆうに5分、10分は時間をとられてしまうのです(たった5分でも朝は貴重だ〜!)。
勝手にやりたいようにさせていればいいのでしょうが、いつの頃からか私はこのお遊びに付きっ切りになっていたのでした。これはかつて何かのインコの本で読んだ、ある記述がきっかけとなっていました。それは、「インコの夢はエンタテナーになること。行動が注目されてウケることが何より嬉しい。大げさな賞賛は何よりのごほうび・・・」―なる記述でした。
ホントかな〜!?ホントだったら面白いなぁ。
そう思った私は、ある時ゴミ箱を這い上がってきたルチノちゃんを大げさに褒めまくってみたのです。
「ルチノちゃん、すごい、すっごーい!やったね!やったね!!」
するとどうでしょう! ルチノさん、首をにゅーっと伸ばして、目を大きく見開き、「ピーッ!」と勝利の雄叫びを!!そしてさも得意げな顔つきをしているではありませんか!
わーっ、ホントなんだわ。インコって褒められると嬉しいんだー!
褒めれば「ピーッ」と大きな声で応えて満面の笑顔で(←そんな顔です)喜ぶ。そして何度でもチャレンジする―。私はもうこのインコマジックに夢中になってしまいました。そしてそんなことを繰り返すうちに、ルチノちゃんの方もまたいつしかヒトの目の無いところではこの芸をしなくなってしまったのです(ギャラリーがいないとどうも燃えないようですね^^;)。 観客ゼロでゴミ箱のふちでぼーっとしていても、ひとたび人間が近付けばテンションは一気に上がり、脱兎の如くゴミ箱の底めがけて駆け下りるルチノちゃんでした。
そうして時が過ぎ、いつしか忙しい朝の時間にそんなお遊びに付き合うことが厭わしくなった飼い主は練習を(!?)サボりがちになっていました。それがルチノちゃんのオリンピック選手としての生命を絶つことになるなんて、夢にも思いませんでした。迂闊でした。ごめんね。ルチノちゃん。。。
ああ、選手引退の時がやって来たのか―。いやいや、まだまだこの先、長い鳥生を歩むルチノちゃんなのです。諦めるのは早いかも〜。リハビリすればまた選手復帰も果たせるかもっ―。そう思った飼い主!5分早起きして(^^;)このお遊び、いや、練習にとことん付き合うことにしたのです!
今、この「壁のぼり」芸の成功率は50%といったところでしょうか。底から上がってくる方は大分調子が戻ってきましたが、下りる方はどうもまだ以前のようにはできません。今は下におろしてあげて、上るところから練習をしています。すっかり自信の無くなってしまったルチノちゃんに、「できる!」という自信を何とか取り戻してあげたいのです。現役復帰を目指して、日々練習に励むルチノちゃんです。。。
mayumiさんのサイトでの「鳥のオリンピック」への参加―。それによって芽生えた芸への情熱。その陰にはちっちゃなものではありますが、実はこんなドラマがあるのでした。そんなことを知っていただきたく、今日はこんな後日談なるものを書いてみました。
褒められるのが嬉しくって、一生懸命芸に励む―
失敗しても、助けを借りずに自分でやり遂げる―
ちっちゃな、ちっちゃな頭をした小鳥さんに、そんな感情があるなんてね!なんて愛おしい存在なのでしょう!この小さな芸を通して私はルチノちゃんに、素晴らしいものを教えられたような気がするのです。
長々とした後日談となってしまいました。お付き合い頂いた皆さま、ありがとうございました^^)♪